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2025/05/30 一般歯科

歯みがきの極意 七か条

①「なぜ、歯をみがくのか」から始めましょう

多くの方が「歯みがきは食べかすを取るため」と思っていますが、
実はそれは本当の目的ではありません。食べかす自体が歯や歯ぐきに悪さをするわけではないのです。

本当に取り除くべきなのは、プラーク(歯垢)と呼ばれる、細菌のかたまりです。
私たちの口の中には、数百種類もの細菌が存在しており、
舌や粘膜の表面、唾液の中など、さまざまな場所にすみついています。
中でも、“歯”という硬くて動かない表面を見つけると、細菌たちはそこに集まり、増殖をはじめます。

イメージしてみてください。
ツルツルしたガラスの窓に、うっすらホコリが積もっていくような状態。
放っておけば、どんどん厚くなっていきますよね。
それと同じように、細菌も時間がたつと、
“ネバネバしたのり”のような物質(多糖体)を出し、
歯の表面にしっかりとへばりつくようになります。

この状態が、バイオフィルム(=プラーク)
水でゆすいだくらいでは落ちません。
物理的に、つまり歯ブラシでこするしかないのです。
このバイオフィルムが形成されるまでには、およそ6〜12時間かかるといわれています。

さらに1日ほど経つと、
プラーク内部の細菌たちは活発に代謝をはじめ、有害な物質を産生するようになります。
その影響で、歯ぐきのまわりに炎症が起こりはじめ
やがて「歯ぐきが腫れる」「歯みがきで出血する」といった症状が現れます。
この炎症が慢性化すると、歯ぐきの下の組織や骨にまでダメージが及び、
そのまま放っておくと、歯周病へと進行してしまうのです。

つまり――
歯みがきの本当の目的は、「歯周病にならないようにすること」。
そのために、しっかりと歯からプラークを取り除くことが大切です。
「なぜ歯をみがくのか」。
それを理解することが、正しいセルフケアの第一歩となります。

 

②「何を、どこをみがくのか」を知ること

「何をみがくのか?」については、すでにお話ししましたね。
そう、歯みがきの目的は、“プラーク(歯垢)”を取り除くことでした。
では次に、そのプラークは、口の中のどこにたまりやすいのかを考えてみましょう。

実は、噛む面(かみ合わせの面)には、あまりプラークは残りません
食事の際に上下の歯がこすれ合うことで、ある程度は自然に清掃されるからです。
一方で注意が必要なのが、
歯と歯ぐきの境目歯と歯の間一番奥の歯のうしろ側など、
食べ物が停滞しやすく、唾液の自浄作用も届きにくい場所です。

こうした“たまりやすく落としにくい場所”を、意識して丁寧にみがくことが大切です。

 

③「見てみがく」ことが何より大切

歯ブラシを動かしているだけでは、プラークは取れません。
大切なのは、毛先が「どこに当たっているか」です。

ところが、洗面所の鏡では、“自分の顔”は見えても、
歯と歯ぐきの境目など、みがくべき場所そのものはよく見えません。

そこで活用したいのが、手鏡です。

手鏡を使って、毛先がどこに届いていて、どこに届いていないのかを
しっかり観察しながらみがく習慣がつくと、みがき残しは確実に減っていきます。

 

④「時間」よりも「結果」

「何分くらいみがけばいいですか?」というご質問をよくいただきます。
けれど本当に大切なのは、“何分やるか”ではなく、「きれいにみがけたかどうか」です。

たとえば、1分でしっかりきれいにできる人もいれば、10分以上かかる人もいます。
これは、お口の中の状態(歯並び・かぶせものの有無など)や、清掃技術によって異なります。

部屋の掃除をするとき、「5分間だけ」と決めて、まだ汚れていても途中でやめる人はあまりいませんよね。
多くの人は、“きれいになるまでやる”のではないでしょうか。

歯みがきも、それと同じです。
大切なのは“時間”より、“結果”。
手鏡で確認しながら、「もう大丈夫」と思えるまで丁寧にみがいてみてください。

 

⑤「みがく順番・優先順位」を持ちましょう

毎回“なんとなく”みがいていると、どうしてもみがき残しが出てしまいます。
特に、検査で指摘された部位や、いつもみがきにくいと感じるところは、
「意識しないとみがけない=優先的にみがくべき場所」です。

自分の苦手な箇所を先にみがく、いつも同じ順番でみがく、
そうした“戦略的なみがき方”を習慣にすると、効果は格段に上がります。

 

⑥「道具の選び方」はセルフケアの質を左右します

歯ブラシには、さまざまなサイズ・かたさ・毛先の形がありますが、
ご自身のお口に合っていないものを使っていると、かえってみがき残しが増えてしまうことがあります。

そして特に大事なのが、歯と歯の間のケアです。
ここには、どんなに上手に歯ブラシを使っても毛先が届きません
歯と歯の間の汚れは、フロスでしか取れないのです。

つまり、フロスは特別な人が使うものではなく、誰にとっても必要な道具です。
1日1回、慣れれば1分程度で済みますので、ぜひ日常の習慣に取り入れてみてください。

そのほか、歯間ブラシやワンタフトブラシなどの補助的な道具も、
歯並びや被せ物、矯正装置などに応じて適切に使い分けることが効果的です。

道具選びもセルフケアの一部です。
「自分にはどれが合うのか分からない」と感じたときは、どうぞお気軽にスタッフまでご相談ください。

 

⑦「歯みがき粉」は、目的と使い方次第

実は、プラークを落とすという点では、歯みがき粉は必要ありません。
むしろ、歯みがき粉が邪魔して見えにくくなります。

ただし、フッ素入り歯みがき粉は、むし歯の予防に効果的です。
その場合は、
・仕上げに塗るように使う
・すすぎすぎない(軽く1回ゆすぐ程度)
といった使い方がポイントです。

その他の効果を期待して使用することもあると思いますが、歯みがきに歯みがき粉は必要ありませんので、フッ素と同じように、低研磨のものを歯みがき後に塗る感覚で使用すればよいと思います。

まとめ

歯みがきは、ただのルーティンではありません。
“歯周病対策の戦略的ケア”です。

特に、①のなぜみがくのか

ここを理解しておくだけでも良いです。

日々のケアの質が確実に変わります。
わたしたちも、あなたのセルフケアを全力でサポートしてまいります。

 

一番町矯正歯科 DENTAL CLINIC
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