ハリーせんせいとハリくんで学ぶ「むし歯のメカニズム」

〜脱灰と再石灰化、そしてむし歯菌のはたらきを科学的に解説〜

 ハリタくん：こんにちはハリーせんせい。今日は『むし歯の原因』について、もう少し深く学びたいんです。歯みがきだけでは防ぎきれないと聞いたのですが、本当ですか？

ハリーせんせい：こんにちはハリタくん。よくぞ聞いてくれました。確かに、歯みがきは大切ですが、それだけではむし歯は完全に防げません。実はむし歯は、『細菌・糖・時間』の3つの要素が組み合わさって起きるんですよ。

ハリタくん：なるほど…“細菌”というのは、口の中にいるむし歯菌のことですね？

ハリーせんせい：その通り。代表的なのが『ミュータンス菌』と『ラクトバチルス菌』です。 ミュータンス菌は歯の表面に定着しやすく、糖を分解して酸を出します。 この酸が歯の表面を脱灰＝つまり溶かしてしまうんです。

ハリタくん：ということは、ミュータンス菌がむし歯の“始まり”を作るというイメージですね？

ハリーせんせい：そのとおり。いっぽうラクトバチルス菌は、すでにむし歯が進行した環境を好み、より強い酸を出してむし歯を“深く”進行させます。

ハリタくん：なるほど。じゃあ、これらの菌が酸を出すきっかけになる“糖”にも注意が必要ですね。

ハリーせんせい：その通りです。ただし、重要なのは“糖の量”よりも“口にする回数や時間帯”です。 食事や間食のたびにお口の中が酸性に傾き、歯は脱灰していきます。

ハリタくん：でも、人間の身体には“再石灰化”という自然の修復機能があると聞いたことがあります。

ハリーせんせい：素晴らしい知識ですね。再石灰化とは、唾液中のカルシウムやリン酸が、脱灰で溶けた歯の表面を元に戻す作用のことです。 ただし、酸性状態が長く続くと、この修復が追いつかなくなります。

ハリタくん：つまり、『だらだら食べ』のような食習慣が問題なんですね。食後に時間をあけて、お口の環境を回復させることが大切なのか。

ハリーせんせい：その通り。さらにフッ素入り歯みがき剤なども再石灰化を助ける重要なアイテムです。 むし歯予防には、生活習慣とケアの両立が大切なのです。

ハリタくん：よくわかりました。今日のまとめとして、
　　　・むし歯は『細菌・糖・時間』のかけ算でできる
　　　・ミュータンス菌とラクトバチルス菌の役割を理解する
　　　・脱灰と再石灰化のバランスを保つ
という点が大事ですね。

ハリーせんせい：完璧なまとめです！ぜひこの知識を、日々の生活に活かしてくださいね。