
むし歯予防で最も重要なのは何でしょうか。
それは「糖質の摂取頻度の管理」です。
むし歯は糖質を頻繁に摂取することで、お口の中が酸性に傾く時間が長くなり、歯が溶けることによって発生します。そのため、お菓子やジュースを「何を食べるか」よりも、「何回食べるか」を見直すことが、予防の基本になります。
しかし、現実にはこれを完全にコントロールすることは簡単ではありません。
学校生活が始まれば、お友達とのおやつ、習い事や塾の前後の補食、外出先での飲食など、家庭だけでは管理しきれない場面が増えてきます。
そこで大きな力を発揮するのが、フッ化物(フッ素)です。
フッ素は歯そのものを酸に強くし、初期の脱灰からの再石灰化を促進することで、むし歯の発生リスクを大きく下げてくれます。糖質摂取頻度の管理が難しい現代において、非常に心強い予防手段と言えるでしょう。
私が特に大切だと考えている時期は、小学生です。
この時期は永久歯が次々と生え始めます。
生えたばかりの永久歯は成熟途中であり、酸に対する抵抗力が十分ではありません。そのため、フッ素の恩恵を受けやすい時期でもあります。
さらに生活環境も大きく変化します。
幼稚園・保育園までは保護者の管理が中心だった生活が、小学校入学を機に少しずつ子ども自身の判断に委ねられるようになります。
友達との交流、習い事、塾など、生活リズムも変わり、食生活を完全に管理することは難しくなります。
だからこそ、この時期にフッ素を上手に活用することには大きな意味があります。
2023年には、国内のフッ化物配合歯磨剤の推奨使用方法が改定され、6歳以上では1450ppmF(約1500ppm)の高濃度フッ化物配合歯磨剤の使用が推奨されるようになりました。
しかし、実際の診療では一つ困ったことがありました。
子ども向けの1450ppmF配合歯磨剤が、ほとんど存在しなかったのです。
市販されていた高濃度フッ素歯磨剤の多くは大人向けで、ミントの刺激が強く、小学校低学年のお子さんには使い続けることが難しいケースが少なくありませんでした。
「推奨はされているのに、子どもが使いやすい製品がない。」
これは以前から感じていた課題でした。
今回発売された子ども向け1450ppmF配合歯磨剤は、その意味で非常に待望の商品だと感じています。
刺激が少なく、お子さんでも使いやすい味であることに加え、泡立ちが控えめな設計になっています。
さらに、同時発売されたジェルタイプも、小さなお子さんには扱いやすく、非常に良い選択肢だと思います。
ただし、一つ誤解していただきたくないことがあります。
私は以前から、「歯磨きそのものが重要であり、歯磨剤は必須ではない」とお伝えしています。
歯垢を落とすという目的だけであれば、歯ブラシだけでも十分に効果があります。
むしろ泡立ちが強すぎる歯磨剤は、「磨けた気になる」ことでブラッシングがおろそかになることもあります。
歯磨剤を使用する最大の目的は、フッ素を歯に届け、歯の表面にできるだけ長く留めることです。
そのため、泡立ちが少なく、使用後に何度も水で強くすすがなくても済む設計は、とても理にかなっています。
むし歯予防の主役は、あくまでも毎日の生活習慣です。
糖質摂取頻度を見直し、しっかり歯を磨くことが基本になります。
そのうえで、フッ素を上手に活用することで、永久歯をむし歯から守る力をさらに高めることができます。
今回の子ども用高濃度フッ素歯磨剤の登場は、「商品が一つ増えた」というだけではありません。
小学生という最も重要な時期に、高濃度フッ素をより自然に生活へ取り入れられる環境が整ったという点で、非常に意義のある出来事だと私は考えています。
一番町矯正歯科 DENTAL CLINICNew Article
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※一般歯科と矯正歯科で開院日・診療時間が異なります。
※土曜診療は月3回(不定期)の頻度にて診療いたします。
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